2011年5月31日火曜日

7回目のワークショップ         <はりねずみより>

 ワークショップを初めて1年が経ちました。

 今日は(はりねずみ工房)の面々を紹介しましょう。
常時活躍しているメンバーは 12~13名 多い時は18名位の仲間が揃います。
普通の大阪の小母ちゃまの集まりなのに凄いパワーの集団です。それは賑やかな事。
多くの人は患者本人、又、患者の家族だけれど 壮絶な病と闘ってきた人達とは思えないバイタリティーがあります。

 時間内は手と口の競演、笑いあり、友情あり、果ては料理の講和もありかな? てなところで 皆さんのお役にたっていると自信を持って楽しいひと時を共有しています。

 中には未来のお医者様も(授業の合間にお手伝いをしてくださるイケメンの学生さん),
最近は英語の教師をしながら毎週ボランティアに参加して無口だけれど働き者の日本語の達者な、イギリス人の素敵な優しい男性 (奥さまは日本の方です)
この素敵な英語の先生がいらっしゃる間に、少しでも英会話になじみたいと思います。

はりねずみワークショップデビュー!の初エプロン

事前ミーティングにも余念がありません。

 
             今日はティシュケースのモダンなカバーを作ります


比較的に若い人でお元気そうな方の参加が多くみえました。

 病室より18階(ワークショップの部屋)へ来られ “こんな所があるんや”と感激されたり、針使いも大変そうな人 お友達同士同じ柄を選んで楽しく記念撮影、入院中の中学生は “帰ったら母のプレゼントに”と感謝の気持ちいっぱいの作品が出来上がりました。

 入院中に又、「別の病を発症して落ち込んでいたけれどスタッフの中に同じ病を持つ人が、とても明るく元気なので勇気付けられた」と嬉しい言葉を残して帰られた人 この様な機会に参加する事で免疫力アップになり快復も早くなるのではと希望をもちましょう。


                  準備中から笑顔でお迎えします。

好きな柄の布を選べます。

                       仕上がりが楽しみ~♪

ボランティアさんが丁寧に教えてくれます。

たくさんの患者さんにお越しいただき賑わいました。

 今日の作品は日常生活に必要な物なので、希望者が多く用意した数では足りなくなり、折角来ていただいたのに お断りする破目になり、心苦しい結果になり残念です。
次回はどのような作品になるか、 皆さんに役立つもの、喜んでいただけるものを考えます。

              もっと患者さんに喜んでいただくために、
              熱ーい、事後ミーティングも毎回必ず行います。

参加された皆様、7月に行われる “マーブルフェスタ & バザー”に是非ご来場いただけますようにお待ちします。

私達もバザーの作品つくりに頑張ります。お元気になられた皆様との再会を楽しみにしています。


                                はりねずみ工房   三村清子

 「WSの持つ意味って」

 今年の3月でマーブルタウンを「卒業」し、4月から兵庫県の病院で研修医をしているものです。
 マーブルタウン発足年から参加し、大阪市立大学医学部に通学していたので「地の利」を生かして、みなさまが企画してくださるWSの準備・進行・片付け等を通して微力ながらお手伝いさせていただいておりました。

 そこで患者さんの気持ちに触れる機会、自分の知らなかったさまざまな分野で才能を発揮していらっしゃる方と触れ合うチャンスを得ることが出来、視野が広がり、人間として大きく成長できました。

しかし一番の収穫は、WSの持つ力に触れられたことなのかなと想います。

 学生時代に実習を通じて患者さんと接する機会がないわけではないのですが、実際に働きだすとはるかに長い時間を患者さんと共にします。患者さんの状態を正確に把握するため、表情を含めた患者さんの訴えを聴こうと五感を澄ませます。

 そうすると「入院中の退屈な時間」という、誰しもが抱える時間が実は、病気を受容したり退院後の生活へのイメージを抱いたりするための時間でもあり単に退屈なだけでなく、ものすごく難しい時間であるということを強く感じます。

そんな時間をどう過ごしてもらうのか・・・。

そんなときにふと頭をよぎるのがマーブルタウンのWSです。
 決して型にはまらず、アイデア満載。時には患者さん参加型のようなものもあったり、とにかくエネルギーの塊。時にそれが生む奇跡のような出来事にもいくつか出会いました。
 そんなことを思い出しているうちに、WSの良さ、大切さというのはただ退屈な時間を埋めるという意味合いよりもむしろ、WSを通して患者さんとエネルギーや刺激をぶつけ合うことにあるのではないだろうかと想うようになりました。

 それが、明らかな変化は起こさないかもしれないけれど、目に見えないところで患者さんを良い方向へ向かわせてくれる、そんな気がしてならないのです。

 わたしは、医学部のオーケストラ部のメンバーの中でアンサンブルチームを組んで院内で出張演奏会をする「たまごオーケストラ」の一員として病棟で演奏会に参加したことがありましたが、今振り返ると技術は未熟であったけれど演奏会中の病棟のエネルギーは他のWSにも負けていなかったという自信はあり
ちょっとは意味のあるWSが出来たのではないかと、自己満足ながら想っています。

 勤務してまだ2か月ですが、「マーブルタウンのワークショップに参加してほしいなぁ」と心から想う患者さんに出会います。きっと、附属病院にもそういう人がたくさんいるはずです。

 ですからこれからも、スタッフの方にはいろいろなWSを企画・実現していってもらいたいです。今までのようにお手伝いできないのが残念ですが、blogを通して楽しませてもらおうと想っています。

 最後に、これまで私がマーブルタウンでかかわったすべての方に心からお礼申し上げたいと想います。本当にありがとうございました。


兵庫県立塚口病院 研修医   中橋 達

2011年5月19日木曜日

『みんなでつくろう!粘土の世界☆』  ワークショップ

こんにちは!

患者さんとご家族に楽しんでもらえるようなワークショップを行っている、
神戸大学生ボランティアグループのべーこっこです。

2011年3月23日(水)13:10~16:40
こども病棟にて、「みんなでつくろう!粘土の世界☆」というテーマで、
粘土のワークショップを行いました。

          高さ約5cm、八つ切りの画用紙2枚分の大きさの箱に、
      海をイメージしている水色の画用紙を敷いた、‘箱庭’を用意しました。

そこに粘土で陸地や山、島をつくってもらいながら、‘箱庭’に置くもの(例えば、海洋生物、車、動物、海賊)も自由につくってもらいました!

     ボランティアのおねえさんに手伝ってもらって、お気に入りの色を作ります。


いるか組・らっこ組に時間帯を分けて行い、9人の子どもが参加してくれました。
粘土は、赤・緑・黄・青・白・黒色の紙粘土と大理石調粘土、土粘土を用意しました。


粘土を丸々4,5個使い、粘土ベラで粘土にユニークな顔を刻み込み、
‘海賊’を4,5体つくった子、マグマが流れる火山をつくった子、
自分の好きなキャラクターをつくった子、
赤と青の粘土を混ぜて‘宇宙’ゾーンをつくった子。

‘箱庭’に置くのには興味はなく、ただひたすら自分のつくりたいものをつくったり、
自分でつくるよりもボランティアスタッフにつくってもらったり、
‘箱庭’に置くものよりも‘箱庭’自体を夢中でつくったり…
いろんな楽しみ方ができて良かったと思います。

                     「よいしょっ、よいしょっ」

              難しかったけど、こんなにかわいくできました!

               「粘土が乾いたら、お水をつけるといいよ。」

                  “スニーカーと、サッカーボール“

                     かわいい海賊だね♪

以前、好きなものを自由につくってもらう粘土のワークショップを行ったのですが、
今回は‘箱庭’があることで、
‘箱庭’自体をつくってもらう作業と‘箱庭’に置くものをつくってもらう作業があり、
‘箱庭’が変化すれば‘箱庭’に置くものも変化する、その逆も然り…と、
相乗効果があったように思います。

また、例えば「この海賊がな…」というように、ストーリーを話す子が何人かいました。
さらに、皆が自分の‘箱庭’に置くものを‘箱庭’に置くことで、
自分の作品だけでなく他の子の作品を共有することができ、一体感がありました。
一つだけしかない、みんなの世界ができたと思います。

参加してくださった患者さん、協力してくださった看護師さん、保育士さん、前田さん、ボランティアコーディネーターさん、本当にありがとうございました。


私事ですが、今年の4月から社会人になりました。
べーこっこだけでなく、6東のレクリエーション参加、外来案内など、
市大病院で様々な活動をした約2年間を振り返ってみると。。。

最初は、初代べーこっこの流れに乗って活動すれば良いかな~と軽く考えていましたが、
自分たち2代目になって活動を見直すことになりました。
メンバーで何度も話し合い、はりねずみさんやふするんさんの活動などを見学し、
ボランティアコーディネーターさんとも話し、今思えば、
あの時は苦労したし悩んだし、早くワークショップ(WS)したいと思っていたなぁ。
しかし、時間をかけて準備したからこそ、自分たちの軸がしっかりとでき、
揺らいだり悩んだりした時も、その軸を見直すことで、ぶれずに活動できたと思います。

今も、悩み反省することは多いですが、
大きな失敗や滞りはなく、WSをすることができるようになり、少し誇らしいです。

これからもべーこっこは良い意味でどんどん変化していくと思いますが、
『継続』と『患者さんとご家族に楽しんでもらえるようなWSをする』
『良いWSをつくるために、メンバー同士ぶつかり合う』
というのは変わらないで欲しいと、ひそかに願っています。

暴走しがちな私を支えてくれたべーこっこメンバー、ありがとう。

市大病院のボランティア活動や、ボランティアコーディネーターの巽さん、杉山さん、
ボランティアスタッフさん、関係者さんを通して、
当たり前だけれど忘れがちになる大切なものを感じ、学ぶことができました。
それらはいっぱいあり、言葉にし難いのですが、人をほっこりさせるものです。

ずっと、ずっと忘れないようにします。

充実した時間を過ごすことができ、成長させて頂き、本当に感謝しています。
ありがとうございました。

今後もマーブルタウンの一員として活動したいと思っていますので、
よろしくお願いします。

稲田 さやか