市大病院でボランティアに参加させていただいてから、1年半がたとうとしています。
1つ1つの活動やイベントが多種多様で、私の抱いている病院のイメージが、いい意味で覆されていくのを感じます。
今回は私自身の話をしたいと思います。
私には心の中でずっとあたためている夢があります。
それは、「病気の子どもの“きょうだい”を支える」ということです。
その思いの背景には、私の歩んできた道が大きく関係しています。
私は中学3年生の時、病気で弟を亡くしました。
弟とは6歳離れていることもあり、とてもかわいくて、大好きで、いつも一緒でした。
その弟がいなくなって、私は自分の大切な一部をなくしてしまったように思いました。
私は弟に会いたくて、弟のいない日々があまりにもつらくて、泣いてばかりいました。
また、家族の揃っている人がうらやましくて仕方なく、「私はみんなと違うんだ」と感じさせられることも、私にとってとてもしんどいことでした。
どこにいても、何をしていても、弟のことを思い出し、気持ちが押しつぶされそうになりました。
しかし「誰も私の気持ちなんかわからない!」と思いこんで、誰にも話さず、自分でどうにかしようともがき続けていました。
しかし大学生になって、勇気を出して弟の話を少しずつ周りに話していくうちに、自分の心がほぐれていくのを感じたのです。
それはきっと、自分の気持ちを受け止めてくれる人がいて、自分1人で苦しみや悲しみを抱える必要はない、と気づいたからだと思います。
そして私は少しずつ自分の気持ちを整理していけるようになりました。
そんな経験から、今つらさやさみしさなど様々な感情を抱いているであろう“病気の子どものきょうだい”を支えることが、私の夢になりました。
きょうだいが自分の気持ちを素直に表現できて、「1人じゃない」と感じられる心のよりどころを、ゆっくりとではありますが作り上げていきたいと思います。
大阪大学人間科学部3年 前田直子
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